大巻さんの新作である「Echo – Eclipse of Life」は、会場の大きな窓から差し込んだ太陽の光の瞬間をかたどることで、日食が起こった瞬間をとらえるように、まさにその「瞬間」を結晶化しようと試みています。
真っ白な床に赤い花が映えるこの作品は、会場の外からでもひと際目を引き、たまたま会場の横を通った人がこの作品を窓から覗き込み、そして会場に入ってくるということが多くあります。(会場の周辺にはアートバーゼルのサテライト展示が多くあり、数カ所の展示を周りながら本会場にも足を運んでくれていました。)
毎日、その一瞬を捉えようと多くの人が夕方6時頃に作品の周りに集まってきます。天気が変わりやすいバーゼルでは、急に雨や曇りになるなど天気が安定しませんが、晴れている日はその「一瞬」を見る事が出来るのではないかと会場の中にいる皆が期待をします。中には、その瞬間を見るためにわざわざ会場に戻ってきた人や、座り込んで作品と光が重なるまでの瞬間をじっとみつめ続けている人もいます。
(レポーター:丸山美佳)